コリってなに?

これってコリ?

先日、腰痛の方の臀部を施術していると「そこを押されると痛い!そこにもコリがあるの?」と聞かれました。そうですよと答えるとその方は「お尻にもコリがあるんだ」と驚いていました。
コリというと肩こりを思い浮かべる方も多いでしょう。以前このコラムで肩こりを「首から肩または背中にかけての広い範囲で痛い・重いなどの不快な感じ」と定義してストレッチを紹介しました。
それでは肩こり以外の、広い意味での「コリ」とはいったいなんでしょうか。

コリと硬結

「肩こり」は不快な症状やその場所をひろくカバーする言葉ですが、肩の筋肉の一点を指して「ここにコリがある」という場合、それは硬結(こうけつ)という言葉におきかえることができます。
硬結とは本来やわらかい組織が何らかの理由で硬くなることで、この場合は筋肉に起こるため筋硬結とも呼ばれます。ここでは日常の姿勢などによって形成される硬結について説明します。

日常的な習慣や姿勢によって、筋肉の緊張が強くなると、その部分の血流が悪くなります。
緊張で硬くなった筋肉が血液の循環をジャマしてしまい、老廃物(疲労物質)が溜まりやすくなります。
老廃物が溜まると筋肉の神経を刺激して筋肉の緊張が強くなります。
肩こりに限らず、多くの場合筋肉のコリはこのような悪循環におちいってなかなか解消されません。
また、捻挫や打撲といったケガがきっかけで筋肉が緊張してコリが生まれることもあります。
さまざまな症状を引き起こすトリガーポイントという言葉を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、筋硬結はトリガーポイントへの変性過程の第一歩と言われています。筋硬結にさらにストレスが加わり血行不良が続けばトリガーポイントに成長する、あるいは筋硬結のなかにトリガーポイントが形成されるという考え方です。
いずれにしてもあまり歓迎できるものではありません。

どうすればコリはなくなるの?

上で見たようにコリは筋肉の血行不良で起こります。それを解消するためには筋肉の血行をよくすることが大切です。
・ウォーキングや筋トレ、ストレッチなどの運動で筋肉の血流を改善する
・入浴やホットパックなどで温める
・マッサージなどの手技療法を受ける

どれも筋肉の血行不良を改善するのに有効ですが、少しほぐれても同じ生活をしている限りまた同じような場所にコリは生まれてしまいます。コリの悪循環から抜け出すことはカンタンではないと思ってください。
「どのような行動や姿勢がその場所にコリを発生させているのか」を常にチェックして、悪い行動は避け正しい姿勢をこころがけましょう。
どんなに正しい姿勢でも、おなじ格好で長時間作業していたら筋肉はかたまってしまいます。定期的に小休止と、できれば軽い運動をはさむようにしてください。

まとめ

・筋肉の血流が悪くなるとコリ(筋硬結)ができる
・血行をよくして改善しよう
・コリができる生活習慣や行動も見直そう